糖尿病について
ますます便利になる血糖コントロール方法
①
リブレのデータをスマホで取りこむ
2023年12月からアボット社からFreeStyleリブレ2が利用可能になっています…
2023年12月からアボット社からFreeStyleリブレ2が利用可能になっています
2021年2月に発売されたリブレ1の後継機種として提供され始めたリブレ2。こちらはブルートゥース機能を搭載しており、アボット社の公式アプリ「FreeStyleリブレLink」を携帯にインストールすれば、常に最新のグルコース値が表示されるようになります。
リブレ1ではリーダーあるいは携帯をリブレセンサーにかざさなければグルコース値を読み取ることができませんでしたが、リブレ2ではスマートフォンで最新のデータを常に表示することができるようになりました。(ただし、リーダーにはこの機能はありません。)
リブレ2にはNFC機能も搭載されており、ブルートゥースが使えない時は従来通りかざしてグルコース値を読み取ることが可能です。
読み取ったデータはインターネット上のクラウドサーバーに上げて医療機関とデータを共有することもできます。また家族間でデータを共有することも可能です。
対応するスマートフォンのOSなど詳しい情報は下記のサイトをご覧下さい。
フリースタイルリブレのページ
②
選択肢が広がったCGM(G7、リブレ、ガーディアン)
Dexcom G6 CGMシステムに加えて、より便利なG7が登場…
(1)Dexcom G6 CGMシステムに加えて、より便利なG7が登場
デキスコムジャパン合同会社は、これまでのDexcom G6に加え、さらに便利で小型のDexcom G7を2024年5月に発売しました。G6はトランスミッターとセンサーが別々でしたが、G7ではこれが一体化してワンタッチで装着可能になりました。また、装着から起動までのウォームアップ時間も30分に短縮されました。
持続血糖測定装置:CGM(Continuous Glucose Monitoring)ですので、グルコース値は自動的にスマートフォン又はモニターに送信されます。アプリには多彩なアラーム機能が付いていて、低血糖や高血糖などをお好みのサウンドで知らせてくれます。2歳以上のお子さんへの使用が承認されています。
アプリはApp StoreやGoogle Playから無料でダウンロードできます。ご使用中の携帯が対応機種かどうかの確認が必要です。
携帯の互換性を調べるサイト:
https://www.dexcom.com/ja-JP/compatibility/device
専用アプリは3種類に分かれていて、それぞれ①Dexcom G7(グルコース値表示用)、②Dexcom CLARITY(血糖コントロールの分析・評価用)、③Dexcom Follow(データを共有する人用)となっています。
G7のセンサーは10.5日間の使用が可能です。指先血糖測定の必要はありませんが、血糖値を入力して値を修正することも可能です。
2022年12月よりフリースタイルリブレと同様の保険算定が可能になり、比較的安価に利用できるようになりました。
フリースタイルG6については2026年6月30日をもって販売終了となりました。
一方で、Dexcom G8の開発が進められており、G7よりさらに小型化されて測定精度と信頼性がさらに向上するようです。
DexcomG8は米国では早ければ2027年後半に登場すると言われています。
(2)かざすだけで血糖値が分かるフリースタイルリブレ リブレ2が発売されてさらに便利に
2017年9月1日に保険適応されたフリースタイルリブレ。50円玉大のセンサーを腕に貼り付けて、読み取り装置を数センチまで近づければ、皮下の間質液中グルコース濃度を知ることができます。服の上からでも測定が可能。グルコース濃度の表示だけでなく前8時間の血糖グラフとトレンド(上がっているか下がっているか)も表示されます。
2週間の連続使用が可能で、指先血糖測定による補正の必要もありません。装着することで低血糖の頻度が減少することが報告されています。
当初、粘着テープによるかぶれが少数ながらみられていましたが、2020年12月以降は粘着テープに含まれるアクリル酸イソボルニルが除去され、かぶれがほとんどなくなりました。
2023年12月からはリブレ2が日本でも使用可能になりました。形状はこれまでのリブレと全く同じですが、ブルートゥース機能を搭載しており、かざさなくても1分ごとにグルコース値がスマートフォン、あるいはモニター上に表示されます。設定すれば低血糖および高血糖アラーム(オン・オフ可)を鳴らすことも可能です。スマートフォンには、あらかじめFreeStyleリブレLinkアプリをインストールしておく必要があります。
海外ではリブレ3およびリブレ3plusの利用が可能になりつつあります。リブレ3は機能的にはリブレ2と同じと考えてよいと思いますが、サイズがかなり小さくなっています。大きさは19mm、厚みは1セントコイン2枚分程度とされています。
米国ではMiniMed780Gインスリンポンプとの連携が可能なモデルInstinctセンサーが利用可能になりましたが、このInstinctセンサーは基本的にはリブレ3plusと同等とされています。
一日も早く使えるようになるといいですね。楽しみにして待ちたいと思います。
(3)ポンプに連動する持続血糖測定装置CGMセンサー(ガーディアン4センサー)
日本メドトロニック株式会社からインスリンポンプ(最新モデル™780G)とこれに連動するCGMセンサー(ガーディアン4センサー)が提供されています。ガーディアン4センサーは最大7日間の使用が可能です。
最新のミニメド™780Gポンプではガーディアン4スマートCGMシステムが使えます。ガーディアン4センサーから送られてくるグルコース値に基づいて、血糖値を目標範囲内に自動的に保つ(スマートガード・オートモード機能)ことができます。
スマートガード機能をONにしている時は、食べる前に食品に含まれる糖質のグラム数を入力するだけで、後はポンプがガーディアン4センサーの値に応じてインスリンを自動注入してくれます。目標血糖値を100、110、120mg/dlのいずれかに設定することが可能です。
ガーディアン4センサーの値が少しずれていると感じたら血糖自己測定による較正が可能です。アキュチェックガイドLinkという血糖測定器を使えば測定した血糖値をペアリングしたインスリンポンプにBluetoothで自動転送することが可能です。
③
スマートフォンと連携するインスリン・ペン型注入器
ノボ社が2022年に発売したインスリン・ペン型注入器はスマートフォンと連携…
ノボ社が2022年に発売したインスリン・ペン型注入器はスマートフォンと連携できます
ノボ社が2022年2月に発売したノボペン6とノボペンエコープラスは、打ったインスリンの日時と単位数を最大800回まで自動的に記録。そのデータをスマートフォンにインストールされたアプリに無線送信できます。また、最後に打った単位数と経過時間をペン上部の液晶画面で確認できます。(右の丸い画像は、7秒前に5.5単位打ったことを示しています)
- ノボペン6:最大投与量60単位、1単位刻み。カラーはグレーとブルーの2色。
- ノボペンエコープラス:最大投与量30単位、0.5単位刻み。カラーはレッドとライトブルーの2色。
3 mL のペンフィル®カートリッジに対応しています。
NFCでスマートフォンへ注入履歴を無線転送
ノボペンの液晶側を、スマートフォンのNFC(Near Field Communication:近距離通信システム)受信部に近づけることで、インスリン注入の履歴(日時と投与量)がスマートフォンアプリに無線転送されます。送信のイメージは左の画像のようになります。
スマートインスリンペンの注入履歴が読み取れるスマートフォンのアプリ
この機能に対応するアプリとして、①スマートe-SMBG、②FreeStyleリブレLink(対応予定)、③シンクヘルス、④メディセーフデータシェア、⑤マイシュガーアプリなどがあります。お勧めは「シンクヘルス」と「FreeStyleリブレLink(対応予定)」。機能の多さからは「シンクヘルス」に軍配が上がります。
ノボ社も推奨するシンクヘルスアプリ(無料・App内課金あり)をお勧めする理由は3つ。
- ノボペンのインスリン注入データが読み込めること。
- アボット社のFreeStyleリブレLinkのデータが取り込めること。
- 毎回の食事の写真を残すことができること。何を食べて、インスリンをいくら打ったら、血糖値がどう変化したかを振り返ることができます。コントロールの見直しに大いに役立ちます。
「シンクヘルス」は、リブレ以外にも国内で使われている多くの血糖測定器のデータを読み込むことができます。糖尿病のデータ管理だけでなく、血圧・体重・運動・お薬などを記録することもできますので、このアプリひとつで健康管理ができます。
※スマートインスリンペンとシンクヘルスを連携させるにはNFC搭載であること、iOS端末ではiOS13.0、iPhone8以上が必要です。
「シンクヘルス」のホームページ(H2株式会社):
https://www.health2sync.com/ja/company/
「シンクヘルス」アプリは、iPhoneの方はApp Store、アンドロイドの方はGoogle Playで「シンクヘルス」で検索してダウンロードしてください。アプリのダウンロード用QRコードは以下の通りです。
④
iPhone,Pc用のカーボカウントアプリ公開中
iPhone用アプリ:「カーボカウンター」 1型糖尿病の方のためのアプリです…
iPhone用アプリ:「カーボカウンター」
1型糖尿病の方のためのアプリです。iOS11に対応し、機能も追加しました。カーボカウントの基礎、インスリンポンプの使い方などが楽しく学べます。使い方はとても簡単。
インスリン効果値(1Uのインスリンでいくら血糖が下がるか)と糖質/インスリン比(1Uのインスリンで何グラムの糖質を処理できるか)を設定して、食事に対する必要インスリン量を計算します。200種類余りの外食メニューの糖質量が登録されており、必要なインスリン量を知ることができます。iPhoneをお使いの方はぜひお試しください。
App Store メディカル:「カーボカウンター」で検索
https://itunes.apple.com/us/app/kabokaunta/id623145077?l=ja&ls=1&mt=8
サポートサイト(iPhone・Android・PC共通):
QRコード(App Store)
Android用アプリ:「カーボカウンターミニ Ver.2」
QRコード(Google Play)
iアプリと同様、1型糖尿病の方のためのアプリです。2023年9月にVer.2をアップデート公開しました。
カーボカウントによるインスリン量計算アプリです。iPhone用アプリと同様、インスリン効果値(1Uのインスリンでいくら血糖が下がるか)と糖質/インスリン比(1Uのインスリンで何グラムの糖質を処理できるか)を設定して、食事に対する必要インスリン量を計算します。200種類余りの外食メニューの糖質量が登録されており、必要なインスリン量を知ることができます。Android携帯をお使いの方はぜひお試しください。
Google Play「カーボカウンターミニ」:
https://play.google.com/store/apps/details?id=hsp20210121.carbocounter_mini
サポートサイト(iPhone・Android・PC共通):
Windows用アプリ
iPhone版カーボカウンターをウィンドウズ上でもお試しいただけます。下記サポートサイト(iPhone・Android・PC共通)にアクセスし、上部の「PC用」アイコンをクリック。「ウェブ上で実行」または「Winアプリのダウンロード」をクリックしてください。(ダウンロードした場合はインストールが必要になります)
サポートサイト(iPhone・Android・PC共通):
こどもの糖尿病について
①
こどもの糖尿病(1型)と大人の糖尿病(2型)
テレビドクター(1329回 読売テレビ)出演「糖尿病を理解して 特別扱いしないで!…
テレビドクター(1329回 読売テレビ)出演
「糖尿病を理解して 特別扱いしないで!~子どもの糖尿病~」
2001年7月29日(日)放送
1型糖尿病のお話しを中心に、最近増えつつある小児期や思春期の2型糖尿病についてもお話しをしました。
1型糖尿病とは
インスリンを分泌する膵ベータ細胞が自分の免疫で壊される病気です。毎日のインスリン注射が欠かせません。
こどもの糖尿病は1型が中心ですが、近年は食生活や生活習慣の変化により、小児期・思春期における2型糖尿病も増加しています。早期発見・早期対応が大切です。
スタジオの様子
②
変わりつつある1型糖尿病の治療
糖尿病は大人の病気だと思っていませんか? 学校の尿糖検査で早期…
掲載情報
サンケイリビング(リビング大阪)メディカル勉強室
1型糖尿病(小児・思春期糖尿病) 2007年10月13日掲載
取材:寺田町こども診療所 院長・日本糖尿病学会指導医 青野繁雄 / 医療ライター:山内由佳香里
糖尿病は大人の病気だと思っていませんか?1型糖尿病は乳幼児にも見られ、多くが15歳までに発症します。新しい治療法などを、寺田町こども診療所(大阪市天王寺区)院長・日本糖尿病学会指導医の青野繁雄さんに聞きました。
学校の尿糖検査で早期発見が可能に
大人に多い2型糖尿病は、遺伝や生活習慣が主な原因。これに対し1型糖尿病は、自分の体の細胞を攻撃する「自己免疫」によって、インスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊されて起こるといいます。
「多飲・多尿・体重減少が三大症状。以前は、昏睡状態など、重症化してから発見されることも多かったのですが、1992年から学校検診に尿糖検査が導入され、無症状段階での早期発見が可能に。それによって発見後の入院期間は短縮し、早期の学校復帰ができるようになりました」
変わりつつある1型糖尿病の治療
治療法や製剤も飛躍的に進歩しているとか。
「治療はこれまで、注射器で1日4回インスリンを注入する強化インスリン療法が主流でしたが、最近では小型の携帯用注入ポンプで、超速効型インスリンを皮下に持続注入し、食事ごとに必要な量をボタンひとつで追加できる方法が普及しつつあります。注入ラインは約3日間交換不要で、チューブを外してキャップをすれば、入浴や水泳も大丈夫。生活スケジュールの変化にも柔軟に対応でき、血糖値に合わせた細やかな調整が可能です。血糖測定も、これまではもっぱら指先からの採血で行っていましたが、最近では体に貼り付けたセンサーで皮下のグルコース値をモニターすることが可能になり、よりきめ細かな血糖コントロールが出来るようになりました。」
良好な血糖コントロールで合併症を予防
低血糖症や網膜症、腎障害といった合併症を予防するには、良好な血糖コントロールが重要。適切な食事療法は欠かせません。
「ここ数年で食事療法の考え方にも変化が。従来のカロリー主体の計算ではなく、血糖値上昇に直接かかわる炭水化物の量に対してインスリンの量を調整する、カーボカウンティングという考え方が取り入れられるようになり、食事制限がかなり緩和されました。とはいえ、血糖コントロールが難しくなるので肥満は禁物。適度な運動で適正体重を心がけてください。」
成長に応じ管理の主体を子どもに移行
「成長の段階に応じ、管理の主体を親から子ども自身に移行していくことも大切。一度まかせたら信頼し、うるさく口を出さないこと。親は援助者として見守り、子どもが自信を持って前向きに取り組めるよう、サポートしてあげましょう」
(医療ライター 山内由佳香里)
③
こどもにもある2型糖尿病
鋭ちゃんのあさいちラジオ(MBS1179)に出演しました…
鋭ちゃんのあさいちラジオ(MBS1179)に出演しました
こどもにも糖尿病があることをお話しました / MBS1179 毎週土曜日 6:00〜放送
スタジオの様子
こどもの糖尿病
以下は放送原稿をもとに再構成したものです。
早い方は0才で糖尿病になります。3〜4才頃から小学生ぐらいでなることが多く、喉が渇いてたくさん飲んだり食べたりしているのに痩せてくる、トイレが近い、尿量が多いといったことで見つかってきます。
Q. 何歳ぐらいから糖尿病になりますか?
早い方は0才で糖尿病になります。3〜4才頃から小学生ぐらいでなることが多いのですが、喉が渇いて、たくさん飲んだり食べたりしているのに痩せてくる、トイレが近い、尿量が多いというようなことで見つかってきます。
Q. 生活習慣が関係するとは思えませんが、なぜ糖尿病に?
こういう早い時期にでてくる糖尿病は1型糖尿病といわれており、おとながかかる2型糖尿病とは原因が異なっています。生活習慣とは全く関係がありません。
1型糖尿病というのは、インスリンを出す細胞が壊れてなくなってしまうために起こりますので、甘いものを食べすぎたり肥りすぎたということとは関係がありません。実際、1型糖尿病のかたは痩せていることが多いので、俗に「やせ型糖尿病」と言われたりしています。
Q. 1型糖尿病の子どもはどのくらいいるのですか?
中高年の糖尿病に比べるとかなり少なくて、おおよそ3千人に1人ぐらいと言われています。一つの小学校あるいは中学校に一人いたり、いなかったりという程度ですので、一般にはあまり知られていないかもしれません。
1型糖尿病は、どういうわけかヨーロッパやアメリカに多くて、北欧のスウェーデンですと、日本の30倍以上あるといわれています。そのような国では子どもに糖尿病があるということが半ば常識になっていますが、日本ではなかなかうまくいきません。
Q. 子どもの場合、大人とは違う難しい面があるのでは?
こどもの糖尿病が少ないですので周囲の方の理解がなかなか得られないということがまず挙げられます。それと、たくさん食べて、大きくならないといけない時期に糖尿病になりますので、大人よりもずいぶん血糖のコントロールが難しいということがあります。
1型糖尿病の場合は、必ずといっていいほどインスリン注射が必要になってきますので、毎日2〜4回必要なインスリン注射をだれが何処でどのようにするのか、ということが問題になってきます。学校の先生にも、お手伝いをお願いする場合も出てきます。
Q. 生活習慣と関連が深い2型糖尿病についてはどうですか?
学校検尿で調べますと、2型糖尿病の子どもが数千人に1人ぐらいの割合で見つかってきます。2型糖尿病は肥満があるとうんと発症しやすくなりますので、肥満のあるお子さんだけを集めて調べますともっと多くなります。
米国で肥満のある子どもだけを集めて調査した結果では、4〜5人に1人は血糖が高く、4%の子どもに2型糖尿病があったとされています。今、同じようなことが日本でも起ころうとしています。小学生の糖尿病はこの20年間に10倍に増えたという国内の統計もあることから、真剣に対策を考えなければならない状況になってきています。
Q. 学校検尿で見つかるということは、自覚症状に乏しいということですか?
この頃の2型糖尿病で一番問題になるのは、自覚症状がないということです。この時期に発病する方の特徴として、大人よりも肥満の程度が強いということが挙げられます。とくに、男の子にその傾向が強いのですが、本来、中高年になって出てくるべきものが、強い肥満によって中学生年齢で出てきてしまっていますので、自覚症状がほとんどありません。
従って、せっかく診断がついても、そのうち病院に行かなくなって放置されてしまうことが少なくありません。しかし、症状がないから大丈夫かというとそうではなくて、知らないうちに目の障害や腎臓の障害といった合併症が進行してしまっている、そういうケースが多いのです。
Q. 対策はありますか?
2型糖尿病については、高度肥満のお子さんに多いということがありますので、家庭や学校での肥満対策・健康教育がたいへん大切になってきます。
家族に糖尿病の方がおられることも多いですので、そのような家庭では早い時期から家族そろって、よい食習慣・運動の習慣を培って頂くとよいのではと思います。
④
こどもの肥満と2型糖尿病
こどもと生活習慣病(ラジオ放送)1回目はスタジオからの生放送でした。…
こどもと生活習慣病(ラジオ放送)
1回目はスタジオからの生放送でした。ぶっつけ本番で生放送というのは結構緊張します。
以下は放送原稿から再構成したものです。
Q. 最近の若い人は足が長くなったように見えますが、発育発達の面からはどうでしょう?
足の長い方が多くなったといえるのではないかと思います。学校保健・統計をみますと、身長は戦後ずっと伸び続けてきて、ここ10年余りは概ね横這いになってきていますが、身長が伸びた割には、座高のほうは伸びていない。差し引きすると、確かに足が長くなってきています。これは、おそらく食習慣、あるいは生活スタイルなどが関係していると考えられます。
Q. 背は高くなって足が長くなりましたが、体力面はどうでしょう?
体力面では、ここ十数年、毎年、確実に体力の低下がみられています。例えば、立ち幅跳びなどは身長が高いと有利になるはずですが低下しています。背筋力も落ちてきています。これは、テレビゲームとか受験勉強といったことで運動の習慣のない若い人が多くなっていることが関係していると思われます。
Q. 運動不足から肥っている人も多くなっているように思いますが?
肥満の子どもも確実に増えています。さきほど、スタイルがよくなっていると言いましたが、肥っていないのは10代の女性だけで、そのほかの年代では年々、体重が増えつづけています。10代の女性だけがダイエットブームで例外的に肥っていないといえます。
今、小学校の高学年で肥満のある子どもが10%を超えています。その数はこの30年で3倍に増えたと言われています。そういう意味では、生活習慣病というのは、大人だけの問題ではなくなってきています。
Q. 肥りやすさには個人差があるのでは?
体質が関係しています。最近では、肥満を起こす遺伝子がいくつも見つかってきており、そういう遺伝子をもっていると肥りやすくて痩せにくくなります。
従って、家族に肥満や糖尿病のある方がおられる場合には、子どもの時から、よい食習慣と運動の習慣を身につけておくことが大切です。
Q. 中高年のあいだでは成人病が増えて問題になってますが、子どもに成人病はない?
成人病といわれるぐらいですから、本来、子どもはならないはずですが、最近の調査で、成人型の糖尿病を発症している子どもが意外に多いことが判っています。1992年に学校検尿の項目に尿糖検査が加えられて、それ以来、こどもの時には発症しないと思われていた2型糖尿病がかなりあることが判ってきたのです。
しかも年々増えてきていることが判っています。もともと糖尿病というのはあまり自覚症状のない病気ですので、検査して初めて明らかになったといえます。これまで、子どもがかかるのは1型糖尿病で2型糖尿病はないと言われてきましたが、その常識が通用しなくなっています。
Q. 1型糖尿病と2型糖尿病の違いは?
1型糖尿病はインスリンを出す細胞が破壊されるタイプで生活習慣とは全く関係なく発症します。こちらは自己免疫病の一つで、いったん発症するとインスリンが出なくなり、多飲、多尿、体重減少といった症状が出てきます。
一方、2型糖尿病のほうは生活習慣病と言われるように、肥満や運動不足でインスリンが相対的に足らない状態に陥って発症しますので、自覚症状が無かったり、あっても軽度であることが多いのです。
Q. 検査で尿糖がでてると言われたら、どうすればいい?
尿糖が出ていると言われたら、たとえ症状がなくても必ず医療機関を受診して頂きたいと思います。
学校検尿で見つかってくる方の中には腎性糖尿といって、血糖値が高くないのに尿糖だけが出ている方も含まれていますので、きちんと診断してもらうことが大切です。
⑤
2種類ある子どもの糖尿病
西日本文字放送でこどもの糖尿病について解説しました…
西日本文字放送でこどもの糖尿病について解説しました
二種類ある子どもの糖尿病・治療・予防について
○ 1型糖尿病(インスリン依存型)
- –乳幼児期からみられます。
- –生活習慣や肥満とは無関係です。
- –家族に同じタイプの糖尿病があることもまれです。
○ 2型糖尿病(インスリン非依存型・成人型)
- –多くは中高年で発症します。
- –最近では小児期・思春期のこどもでも増える傾向があります。
1型糖尿病の特徴
- ✓膵のインスリン分泌細胞が自分自身の免疫によって壊れることが主な原因です。
- ✓インスリン分泌が失われることも稀ではありません。
- ✓インスリン注射が絶対に必要なタイプです。
- ✓かつてはやせ型糖尿病と言われていました。
- ✓一般の人々にあまり知られていないのは頻度が欧米の10〜30分の1と少ないためです。
治療の基本は自己管理
上手に自己管理さえすれば普通に生活が送れ、人生をエンジョイできます。
- ✓治療は一日数回のインスリン注射と血糖測定。
- ✓血糖値を毎日測ってインスリン量を調整します。
- ✓低血糖予防も大切です。血糖が低いと感じたら迷わず糖分を摂取します。
意外に新しい治療の歴史
| 1920年 | 初めてインスリンの抽出に成功 |
| 1922年 | カナダでインスリン治療が始まる |
| 1950年 | 長く効くインスリンの開発に成功 |
| 1974年 | 日本で小児の医療助成始まる |
| 1981年 | 自己注射が健康保険適応に |
| 1991年 | 血糖自己測定も保険適応に |
成人型糖尿病が子どもにも
- ✓このタイプでは、なりやすい体質が大きく関与しています。
- ✓近頃、子どもの肥満が増えていることに関連して、学童期以降、中学生ぐらいから発症が増え始めます。
- ✓食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣の変化がその背景にあります。
治療はふつう、食事・運動療法と飲み薬になります。
2型糖尿病(成人型)の予防は幼児期から
- ✓戸外で活発に遊ぶ習慣をつけましょう。
- ✓よい食習慣で肥満を防ぐことも大切です。
- ✓早期発見のため1993年から学校検尿で尿糖検査が行われています。
ふつうは無症状。でも、放置すれば知らぬ間に合併症がおこることが少なくありません。発見されたら必ず定期的受診を心がけましょう。